| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB1-HS02 (Poster presentation)
本研究の目的は,天満川に生息するホトトギスガイの個体群密度の変化の要因を明らかにすることである。研究を行うにあたり,個体群密度の変化が起こる要因を,密度が大きくなる場合と密度が小さくなる場合の2つに分けて考え,その要因構造を仮説として考えた。
調査は,2012年8月から2014年1月の間,6項目(ホトトギスガイの個体群密度の変化,泥温の変化,降水量の推移,泥の厚みの変化,塩分濃度の変化,ホトトギスガイの殻長の変化)について,月に1回の割合で干潮になる時間帯に行った。
調査結果より,天満川下流のホトトギスガイは夏に誕生し,秋の初めに干潟に着生して密度を増大させる。冬が近づくと,温度の低下とともに密度は小さくなっていくが,春になると密度は少し大きくなる。梅雨の時期になると大雨による塩分濃度の低下によって密度は小さくなり,夏になると高温により多くの個体が死亡することが推測される。特に今年は連日の猛暑によりほとんどの個体が生き残れなかったと考えられる。