| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS07 (Poster presentation)

守れ!ふるさとのカスミサンショウウオV 〜保護活動と東海地方の地域個体群間の系統解析〜

*髙橋晃太郎, *加藤真帆, *馬淵朋哉, *眞田樹也, *杉山加奈, *篠原悠希, *安澤晃, *二村凌, *石田瑞生, *磯貝涼介, *後藤暁彦, *高木悠, *丹羽大樹, *林俊輔, *増田綾香, *三輪直生, *村瀬希 (岐阜県立岐阜高等学校自然科学部生物班), 水戸直 (長浜バイオ大学), 藤谷武史 (名古屋市東山動物園), 向井貴彦 (岐阜大学), 矢追雄一, 高木雅紀 (岐阜県立岐阜高等学校)

我々は、個体数が少なく、絶滅の危機に瀕している岐阜市の個体群の現状を調査し、保護活動に取り組んでいる。2007年から2013年までの7年間で合計11,500匹の幼生を変態・上陸直前まで飼育し、放流した。2010年から個体数の増加がみられ、若齢個体も繁殖に参加し始めた。さらに、生息域外保全の一環として、本来の生息地とは別に、岐阜大学構内に造成した域外飼育場と、生息地と類似した環境の岐阜市有地への放流を2011年から行っている。

また、岐阜県内2か所、愛知県内11か所、三重県内5か所、滋賀県内6か所、及び岡山県内1か所の合計11か所から得たサンプルを用いて、ミトコンドリアDNAのシトクロームb遺伝子の一部の配列解析を行い、系統解析に用いた。作成した系統樹より、東海地方及び滋賀県のカスミサンショウウオは、東海集団、甲賀集団、長浜・米原集団、名古屋・知多集団の4グループに分けられた。さらに、塩基の置換年代、伊勢湾の海水面の変動などを比較し、東海地方におけるカスミサンショウウオの分布の変化の過程を検証した。


日本生態学会