| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB1-HS13 (Poster presentation)
一夫一妻で子育てをするとき、オス親は周囲の環境に応じて行動を柔軟に変化させる必要がある。一夫一妻で子育てを行うツバメ Hirundo rusticaのオスは子育て中に警戒行動と子育て行動の両方を行う。ツバメの巣の周囲にはしばしばスズメPasser montanusがおり、スズメはツバメの巣を乗っ取ることがある。スズメが周囲にいるとき、ツバメのオスは警戒行動と子育て行動を変化させるかもしれない。そこで本研究では、2007年から2013年に愛知県日進市において、ツバメの巣の周囲にいるスズメとツバメの行動を調査した。その結果、スズメはツバメの巣を乗っ取り、繁殖を成功させることも多かった。一方、スズメが周囲に多いとき、ツバメのオスは警戒行動を多く行い、子育て行動も長く行なった。巣立ちまで子を育てたツバメのペアのオスでは特に警戒行動が多く見られた。スズメが少ない環境では、ツバメのオスの警戒行動や子育て行動はあまり観察されなかった。ツバメのオスは周囲の環境に応じて巣の滞在時間を延長するだけでなく、子の世話も増加させることによって子の巣立ちを早めているのかもしれない。