| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB1-HS19 (Poster presentation)

プラナリアの研究

*脇坂百代 (愛媛県立今治西高等学校生物部), 中川和倫 (研究指導者)

【目的】プラナリアは和名をウズムシといい再生能力の高さで有名である。その再生の方向には極性があり、再生芽の分化において関与する誘導物質について調べる。

【方法】学校近くの用水路から採集したプラナリア(ナミウズムシ)を試料とした。プラナリアを2か所で切って頭部・胴部・尾部とし、頭部と尾部の切断面に、頭部の磨り潰し液と尾部を磨り潰し液、及びそれらを加熱してタンパク質を変性させた液のいずれかを毎日添加し、再生に及ぼす影響を比較した。また、添加した液についてそれぞれ電気泳動を行い、含まれるタンパク質の違いについても検討した。

【結果】プラナリアは切断されてから約1週間で元の形に再生するが、その途中で餌を摂取できないので形は小型になる。再生時には、頭部の磨り潰し液と尾部の磨り潰し液とそれらの添加部位の組合せの違いによって、再生速度に差が認められた。それぞれの磨り潰し液の電気泳動の結果からも、含まれるタンパク質のバンドに違いが認められたので、場所によって異なる誘導物質の種類や濃度勾配が影響していることが示唆された。今後は、タンパク質とタンパク質以外の物質の相互作用について検討を加えたい。


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