| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB1-HS38 (Poster presentation)
アオモジ(Litsea cubeba (Lour.) Pers.)は本来、九州や南西諸島などの暖地に自生する樹木であるが、近年、園芸目的などで植栽されていたものが拡散し、関西圏でも野生化が報告されている。今回我々は奈良県内にどの程度野生化しているかを調査の目的とした。調査地に設定した二上山は金剛山地の北部に位置し、奈良県の葛城市と大阪府の南河内郡太子町に跨っており、北側の雄岳(513m)と南側の雌岳(474m)からなる山であり、軽登山に訪れる人もそこそこいるような里山である。我々は平成24年5月から平成25年12月までの期間に調査を行った。確認できた個体は458本であり、胸高直径は1.0cmから21.5cmのものまでかなり幅があった。また、確認できた場所は南東側斜面の登山道に沿っているところなどが多く、また比較的人為的に攪乱されているようなところに多かった。
さらには、谷筋の斜面の中腹のような適度に土壌中の湿度が保たれている場所で多く確認した。今後は実生の幼木なども視野に入れ、定着する個体がどの程度の割合になるかを調査していく予定である。