| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB1-HS39 (Poster presentation)
就眠運動はマメ科植物等でよく知られており、光刺激などによって生じる膨圧運動の例である。様々な植物種でこの現象が確認されている一方で、その運動リズムの詳細な測定は難しい。古くからキモグラフを使った計測機器は知られているが、これは比較的葉の大きい植物でないと測定することができず、汎用性に乏しい。画像解析による測定法も知られているが、解析者の主観が入ってしまうという問題も残されている。そこで本研究では、赤外線を用いて客観的なデータ収集が可能な就眠運動記録システムを考案し、自作した。
自作した就眠運動自動記録システムは、様々な植物種に利用でき、数日にも渡る長期間の測定が可能である。また、原理が簡単で扱いやすく、低コストといった特徴がある。このシステムを用いて、研究例の乏しいデンジソウの就眠運動リズムの解析を行った。解析の結果、デンジソウの就眠運動リズムについて、明期では葉を開き、暗期では葉を閉じること、葉が開くスピードより、葉を閉じるスピードの方が早いこと、自然条件下とあまりに異なる光周期を与えた場合、葉の開閉リズムが乱れること、光刺激に反応するだけでなく、生物時計による制御もみられることが明らかとなった。