| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB1-HS44 (Poster presentation)
二酸化炭素の吸収に大きな役割を果たしている森林に目を向け、生態系における森林の役割を考えるために、いろいろな森林の二酸化炭素吸収量を推定し、どのような森林が二酸化炭素を効率的に吸収できるのかを解明することを目指した。調査地は岡山県と鳥取県の県境に位置する鳥取大学教育研究林「蒜山の森」で、森林内にプロット(10m×10m)を設定し、その中に生育する樹木の直径・樹高・樹齢を測定した。そこから、樹木の重量・炭素含有量・二酸化炭素吸収量を計算して求めた。また、樹木の炭素含有量を求める過程で、乾燥時の樹木の炭素量は、その総重量の1/2と言われているが、それを検証するために(ⅰ)木片を炭にする実験と(ⅱ)木片を完全に燃焼させて排出される二酸化炭素量を量る実験も行った。森林の二酸化炭素吸収量を求めた結果、森林の多様性が高く遷移の進んだ森林ほど、効率よく二酸化炭素を吸収していることがわかった。その理由は、天然林は樹種の多様性が高く、樹高や樹齢のばらつきが大きいことで、遷移段階が進むほど炭素貯蔵量が多くなるからではないかと考えている。