| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB2-084 (Poster presentation)
沖縄においての外来アリと在来アリの蜜源への選好性を調べるため,アリの代表的な炭水化物源である花外蜜腺と甘露排出性昆虫にそれぞれ集まるアリ種を比較した.さらに植物周辺にいるアリ種相を調査し上記と比較した.甘露に集まるアリの外来アリ種率は,その甘露排出性昆虫のいる植物株周辺の地表面を徘徊するアリの外来アリ種率よりも統計学上の有意に高かった.すなわち,甘露には背景のアリ群集のなかでも外来アリがより多く集まることが示された.しかし花外蜜腺に集まるアリ群集には上記の傾向がみられず,外来アリ種率は甘露排出性昆虫の蜜源周辺に集まるアリのそれと統計学的有意差が検出された.これらの結果は,外来アリが蜜源としての甘露排出性昆虫を独占,もしくは甘露排出性昆虫に在来アリよりも強く誘引されていることを示唆するものと考えられる.これらの可能性を区別するためには蜜分泌物の組成に注目した研究も必要であろう.