| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB3-067 (Poster presentation)

生態系への脅威となった外来植物の特性:全球規模での検討

*斎藤達也, 赤坂宗光(農工大)

外来植物の侵入は世界各地の在来生態系に対し深刻な影響を与えている。在来生態系の保全のためには、生態系への脅威となる種の輸出入・栽培の制限や早期防除といった外来植物の影響緩和対策が必要となる。しかし、生態系への脅威となる外来植物に共通する特性についての知見は不足している。ある特定の地域で脅威となっている種が、必ずしも全球規模で生態系への脅威となっているとは限らないため、生態系への脅威となる種の特性は対象とする空間範囲(全球規模と地域規模)によって異なる可能性がある。また、気候条件等の相違のため、脅威となる種の特性は地域間においても異なると予測される。本研究は全球および地域規模において、生態系への脅威となった種の特性の共通性、特異性を明らかすることを目的とした。

対象地域は、東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、南アフリカの6地域とした。各地域において生態系への脅威としてリストされた種を解析対象とし、その特性(乾燥耐性、湿潤耐性、栄養繁殖器官の有無、寿命、生育形、最大高、種子長、利用用途)を調べた。1161種について全ての特性の情報を得ることができた。次に、ランダムフォレスト法を用いて、以下の応答変数の予測に対する各特性の重要度を算出した。全球規模の場合は各種が脅威としてリストされた地域数を、地域規模では各地域において各種が脅威としてリストされたか否かを応答変数とした。

2種(ハリエンジュ、ホテイアオイ)が6地域全てで、3種(オオフサモ、ダンチク、ランタナ)が5地域で、18種が4地域で、59種が3地域で、197種が2地域で、882種が1地域で生態系への脅威としてリストされていた。本発表では、全球規模と地域規模での相違を考慮しつつ、生態系への脅威となる種の特性について報告する。


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