| 要旨トップ | ESJ61 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
シンポジウム S06 -- 3月15日 9:30-12:30 F会場
人為による森林景観の改変は天然林の分断化・孤立化をもたらす。この改変が生物群や多様性に及ぼす影響は世界中で研究されてきた。しかし、マトリックス自体が森林(日本のスギやカラマツ等の人工林)である景観での研究例は少ない。さらに、天然林の分断化に関する今までの研究では、象徴的な動物(たとえばアメリカのSpotted Owlや日本のオオタカ)に焦点が絞られた研究が多かった。しかし、生態系は複数の栄養段階の生物群で成り立っており、生物多様性や生態系機能も栄養段階ごとの生物群を考慮して研究する必要があると考えている。
そこで本シンポジウムでは、5つの生物群(哺乳類、鳥類、昆虫、植物、微生物)を対象に、日本における森林景観の改変が生物多様性や生態系機能に及ぼす影響を研究した事例を紹介しあう。そして総合討論を通じて、多様な生物群に配慮した森林管理のあり方 -例えば多様性の保全と生産活動のバランスなど-)について考えてみたい。
[S06-1] 天然林と人工林のモザイク景観におけるハナバチの採餌とカスミザクラの繁殖
[S06-2] 森林の分断化に対する植物個体群と群集の長期的応答
[S06-3] 異なる森林景観における菌類多様性の比較
[S06-4] 森林の分断化が哺乳類の分布とそれらによる種子散布に及ぼす影響
[S06-5] 森林の分断化は残存する広葉樹林の生態プロセスにどう影響するか?