| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


シンポジウム S17-1 (Lecture in Symposium/Workshop)

佐渡世界農業遺産の生物共生型農業

西川潮(金沢大・環日セ),赤沼宏美(新潟大・朱鷺自然再生学研究セ)

佐渡では、2008年度より開始されたトキの野生復帰事業に合わせ、水稲農業に、環境負荷低減や、生物多様性向上、米の高付加価値化を念頭に置いた「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度(以下、朱鷺認証)が導入された。この消費者と一体となった持続的な環境保全体制の構築と、里地里山の景観、金銀山に影響を受けた文化が認められ、佐渡は2011年6月に能登とともに日本で初めて世界農業遺産に認定された。2013年12月現在、朱鷺認証の栽培面積は全島の水田の24%に上る。

当シンポジウムでは、2011~2013年度にかけて新潟大学に設置された「自然再生学講座」(佐渡市寄附講座)のプロジェクト研究の成果の一部を紹介する。本発表では、最初に、朱鷺認証をはじめとする佐渡島の生物共生型農業について概観し、次に、冬と夏に全島の400筆あまりの水田で実施された水田の生物多様性評価の結果から、季節に応じて多様な農法への取組みが水田の生物多様性の向上をもたらしていることを紹介する。


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