| 要旨トップ | ESJ61 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
自由集会 W02 -- 3月14日 13:30-15:30 B会場
日本における外来生物対策では、個体の捕獲や刈り取り等、人海戦術が中心的な手法となっている。しかし、直接的な捕獲・伐採だけに頼った防除では、低密度化に伴う防除効率低下や、最初から個体群増加率に追いつかないなど、根絶には至らないケースが多く、革新的な防除技術の開発が必要とされる。そこで注目されるのが化学的防除である。
化学的防除に対する抵抗感は保全の関係者や社会の一部に根強く存在する。しかし、小笠原諸島における外来ネズミ類対策では、殺鼠剤による防除により大きな成果が得られており、同じくアカギ対策でも除草剤が効果をあげている。海外においても既に化学的防除による外来生物防除が広く有効活用されている。今後日本においても、外来生物対策として、化学的防除の導入を積極的に検討する必要がある。そのためには、まず化学物質の特性およびリスクを可能な限り正確に把握し、有効に活用するための化学リテラシーを確立することが急務となる。本集会では特に外来動物対策としての化学的防除の現状を報告した上で、解決すべき課題をレビューし、化学的防除の効果的実践とリスク管理について包括的に議論したい。
[W02-1] 外来生物の化学的防除 -研究者に求められる化学的リテラシー-
[W02-2] 外来ネズミ類駆除における成果と課題
[W02-3] 外来食肉類対策における課題
[W02-4] 小笠原諸島のグリーンアノール対策における課題