| 要旨トップ | ESJ61 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
自由集会 W03 -- 3月14日 13:30-15:30 C会場
「生物間の相互作用が進化にどのような影響をおよぼすのか?」という問題を正しく理解するためには、相互作用するすべての生物の生態を同時に知る必要がある。たとえば、植物と送粉動物の相互作用を介した花の形質進化をあきらかにするためには、花の色・形・匂いなどが植物の繁殖成功にあたえる影響だけでなく、動物の花形質にたいする反応と認知行動を理解する努力が欠かせない。
しかし実際には、植物学者は植物に、動物学者は動物に、あるいは色の研究者は色覚に、匂いの研究者は嗅覚に...というように、視点がかたよってしまう傾向があるようだ。その原因の一つとして、それぞれの分野が個別に発展してきたことが考えられる。このような分野間の溝をうめ、 植物と動物双方の視点をとりいれた研究を発展させる契機をえるために、本集会では、動物行動学の知見をもちいて植物の生態や進化をあきらかにしてきた4つの研究例を紹介する。 また、見ためや匂いなど複数形質のくみ合わせからなる生物の戦略を包括的に理解するために、今後どのような研究を進めるべきか、という点についても議論したい。
コメンテーター:矢原徹一(九州大・理)
[W03-1] 昆虫の色弁別行動を介した花の多様な進化:花色変化パターンの種間差に着目して
[W03-2] 送粉者の不正確な色識別が無報酬花における色彩多型の進化を引き起こす
[W03-3] ホソガの能動的送粉行動がもたらす花の匂いの性的二型性
[W03-4] ヤドリバエが寄主発見に利用する植物のにおいと色