| 要旨トップ | ESJ61 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
自由集会 W27 -- 3月17日 14:30-17:30 D会場
東北地方太平洋沖地震による災害に端を発し、「国土強靭化」に代表される目標のもと、全国各地の河川や海岸で防災を目的とした大規模事業が今後進められる可能性が高まっている。これらの事業は、多くの場合は環境影響評価法の対象にはならず、生物多様性保全に対する配慮についても必ずしも十分と言えない場合がある。一方、環境影響評価法の改正に伴い、計画段階においてアセスメントの考え方や技術を適用する範囲が拡張できる可能性も見えてきている。また実践段階においても、治水のための「河積の確保」と「氾濫原湿地の再生」など、防災・治水と自然再生を兼ねるような試みが進められている場所もある。
この集会では、防災事業と生物多様性保全・自然再生の両立に向け、計画段階におけるアセスメントや、実施段階における制度運用や技術の工夫について、最新情報の共有を目指す。同時に、これらの計画における事前の情報整備(生物分布情報・環境情報の地図化や予測モデルの構築)やそれを活かす制度的枠組みの重要性について、事例紹介を通して議論する。これらを通して、河川・湖沼・海岸の整備事業において「後手」に回りがちな生物多様性保全をいかに計画に組み込んでいくか、また急速に展開される事業の中でいかに保全・再生を実現していくかについて、目標と課題を整理する。
主催
氾濫原研究会
講演・コメント予定者
乾隆帝、河口洋一(徳島大)、三橋弘宗(兵庫人博)、西廣淳(東邦大)、萱場祐一(土木研) ほか