| 要旨トップ | ESJ61 自由集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


自由集会 W28 -- 3月17日 14:30-17:30 F会場

第9回種子散布研究会 動物散布された散布後の種子の行方を追う

企画者: 小池伸介(農工大・農), 直江将司(東大・農), 吉川徹朗(東大・農)

温帯林の樹木の多くは何らかの形で動物に種子散布を依存している。これらの動物散布には周食型散布、貯食型散布が含まれるが、いずれの散布過程にも、散布者が果実を結実した木を訪れる「訪問(visitation)」、果実を持ち去る「持ち去り(removal)」、そのタネを移動する「移動(movement)」、そのタネを排泄あるいは貯蔵する「散布(defecation)」の4つの段階がある。近年、動物散布に関係する研究の発展に伴い日本でも多く研究報告が発表されており、さまざまな分類群の動物が種子散布に関与していることが明らかになってきている。しかし、先行研究は前述の前半の3つの段階のみに焦点を絞ったものが多い。種子散布の究極的な成功とは、散布された種子が散布場所で発芽し、実生が定着・成長し、さらに繁殖可能な状態にまで生育することである。そのため、散布された種子がどのような運命をたどるのか明らかにすることも、動物散布を扱う上では重要な課題といえる。そこで本集会では、日本の温帯林で活躍する4名の研究者に話題提供いただき、動物散布と森林更新の直接的な関係について議論する。

趣旨説明:小池伸介・直江将司・吉川徹朗   コメント:清和研二(東北大・農)

[W28-1] 散布後のカスミザクラ種子の死亡要因におけるツチカメムシの重要性  林田光祐(山形大・農)

[W28-2] 貯食型種子散布の適応度評価-トチノキ研究から温故知新  星崎和彦(秋田県立大・生物資源)

[W28-3] 周食型散布の更新への寄与を探る:鳥散布種子と当年生実生の空間分布の関係  直江将司(東大・農)

[W28-4] 絶滅危惧樹木シデコブシの種子散布と遺伝構造   *鈴木節子(森林総研),戸丸信弘(名大・院・生命農)


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