| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(口頭発表) A2-36 (Oral presentation)
EPG システムは、アブラムシ類やヨコバイ類等の吸汁行動の構成要素(探針行動、師管からの吸汁や葉肉組織からの吸汁など)ごとに生じる特異的な波形とその持続時間を測定することができ、植物の抵抗性(吸汁行動の阻害程度)による吸汁行動の違いを定量化できる装置である。チャノミドリヒメヨコバイは、チャの新芽をホストとする吸汁性昆虫であるが、本種がチャ遺伝資源2系統上で吸汁した場合、比較品種「やぶきた」と比べて、実際の吸汁量と相関がある排出甘露量が顕著に少ないこと、甘露中のアミノ酸含有量が少ないことからこれら2系統は、本種に対して抵抗性(抗寄生性)を持つことがわかっている。そこでEPGシステムを用いてこれら2系統上での吸汁行動の詳細を分析し、2系統が示す抵抗性現象の行動学的要因を明らかにする室内実験を行った。その結果、「やぶきた」と比べて明らかに師管からの吸汁時間が少なくなる一方で、吸汁していない時間と探針行動に費やす時間が長くなることがわかった。また葉肉からの吸汁時間が師管からの吸汁時間よりも長くなることがわかった。