| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA1-013 (Poster presentation)
雑木林が利用されなくなった1960年代以降,丘陵地では開発圧が非常に高まっていた。そのような中,東京都は土地を買い取り,丘陵地公園として雑木林を中心とした自然の保護に取り組んだ。丘陵地公園では,それまで管理していた農家に代わり,東京都が管理を行うことになった。東京都による管理の中では,萌芽更新を期待する管理が行われた。その中でクヌギ・コナラ林の一部は,「武蔵野」を代表する景観林として維持管理するとし,クヌギ・コナラ林を保護することを目標としている。具体的な管理は,20年前後の伐期で萌芽更新による管理を行い,伐採面積は景観上0.2ha程度の小面積,萌芽してから3~4年経過した頃には1株あたり2~3本残す萌芽整理を行っていた。さらに,下刈りやつる切りも適宜行われていた。萌芽更新による管理が行われた丘陵地公園は,多摩丘陵に位置する平山城址公園で1981年から,同じく多摩丘陵の長沼公園では1982年から,狭山丘陵に位置する東大和公園では1982年から,加住丘陵に位置する小宮公園では1987年から開始された。これらの公園の中には,継続的に萌芽更新による管理が行われてきた公園もあるが,途中で管理をやめてしまった公園もある。
本研究では,萌芽更新による管理が行われてきた公園のうち,長沼公園,東大和公園,小宮公園で調査を行った。調査は,過去に更新が行われた区画と更新を行っていない区画に半径10mの円形の調査区を設定し,樹種と胸高直径を記録した。そして,微地形ごとに各公園の現況を比較した。