| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA1-091 (Poster presentation)
植物の温度適応に関する性質は、耐凍性、耐冷性、耐熱性、温度-光合成曲線など様々な種類がある。それらの性質には大きな種間差があるだけでなく、同一種内集団間で異なったり、集団間で異なる性質が種によって異なるなど様々なパターンがあることが報告されている。我々は、この違いは、種や集団がどのような温度環境を経験してきたかを反映しているのでないかと考えた。生息地の環境に長期的に適応してきた在来種と新たな環境に短期間で適応し分布を拡大した侵入種は経験してきた温度環境が異なることから、在来種と侵入種では集団間の温度応答の変異パターンが異なるという仮説を立てた。この仮説を検証するために、在来種タネツケバナと数十年前に日本に侵入してきた近縁種ミチタネツケバナにおいて、温度応答に種間・集団間差があるのかを調べている。最初に、重要な温度応答の一つである耐凍性に着目した。東日本の異なる緯度から採種した植物を通常温度と低温(5℃)で育成し、葉の凍結温度の測定結果から耐凍性を評価し、耐凍性と生息地の緯度・気候の関係や低温順化の影響を調べた結果を報告する予定である。