| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA1-097 (Poster presentation)
日本の農業において、農薬は作物の品質を保証し、収量を確保するうえで必要不可欠なものとなっている。しかしながら、その生態リスク評価は、魚類ではメダカやコイ、甲殻類ではオオミジンコ、植物ではアオミドロといったように、限られた生物種に対してのみ行われている。また、これらの評価方法は群集レベルで行われているのではなく、あくまで個体レベルでの評価のみであり、安全面において不安が残る。
現在、世界で広く普及しているネオニコチノイド系農薬の中にはミツバチが大量死・大量失踪する蜂群崩壊症候群の原因と疑われているものがあり、欧州ではイミダクロプリドを含むいくつかのネオニコチノイド系農薬の使用と販売が禁止されている。
そこで本研究では屋外に6つの人口水田を用意し、農薬未散布のコントロール区2つ、ジノテフラン散布区2つ、イミダクロプリド散布区2つに分け、水田生態系において、これらのネオニコチノイド系農薬が微生物にどのような影響を与えるのかを経時的に調査した 。
その結果、土壌中と水中における、真菌と細菌の生菌数について3つの区間で顕著な差は認められなかった。そこで現在、菌叢に対するネオニコチノイド系農薬の影響評価について検討している。