| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA1-101 (Poster presentation)

環境条件の違いによる納豆菌コロニーのパターン形成

*遠藤敏生(兵庫県大・環境),波夛拓哉(兵庫県大・環境),榎原周平(兵庫県大・環境),中桐斉之(兵庫県大・環境)

納豆菌や枯草菌は他の微生物などとは異なり、様々な形を形成することが特徴的であり、それらを研究することは菌類だけではなく様々な生物が分布拡大する過程にも応用できるのではないかと考えられる。

納豆菌や枯草菌を栄養を含んだ寒天培地に接種すると表面で成長・分裂を繰り返しコロニーを形成する。寒天培地を作成する際、栄養・寒天濃度を変化させると様々なパターンが見られる。一般的に、寒天濃度が低ければ栄養の拡散が起こりやすく、コロニーは大きくなることがわかっている。

予備実験において、枯草菌は寒天濃度が低くなり栄養濃度が高くなるにつれてコロニーが大きくなっていったが、納豆菌は栄養濃度が高い場合に違うパターンが見られた。納豆菌では、寒天濃度が低く栄養濃度が高い場合にコロニーの拡大が抑制された。

本研究では、納豆菌(Bacillus subtilis natto)を用いて、予備実験で見られた納豆菌のコロニーの拡大が抑制される条件を、増殖率に影響を与える栄養濃度、栄養の拡散に影響する寒天濃度を変化させ発見することを目的した。

予備実験より、寒天濃度が低い条件でコロニーの拡大が抑制される際、寒天濃度が低くなるにつれて徐々に拡大が抑制されるのか、それとも急に拡大が抑制されるのか、寒天濃度の変化とコロニーの拡大抑制には相関関係が見られるのか。また栄養濃度7.94~10.00g/L間(栄養濃度がある程度高い条件)で明らかに異なるパターンが現れることがわかっており、納豆菌には栄養を過剰に供給する分量が存在しているのではないかという仮説を立て、それぞれ培養実験を行い得られた結果を考察及び報告する。


日本生態学会