| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-002 (Poster presentation)

衛星リモートセンシングによる植生図化のための2.5万分の1植生図凡例の検討

*藤原道郎(兵庫県大院緑環境/淡路景観園芸),伊藤休一(緑生研),原田一平(東京情報大),原慶太郎(東京情報大,)富田瑞樹(東京情報大),原正利(千葉中央博),平吹喜彦(東北学院大)

日本の植生の現状は環境省の5万分の1および2.5万分の1植生図に示されているが,作成および改定には時間を要するため,衛星画像を用いた補完的な植生図が必要となっている.しかし,衛星リモートセンシングによる植生分類図ではこれまで蓄積されてきた種類組成に基づいた既存植生図の情報が欠落するため,既存植生図の凡例と衛星リモートセンシングによる凡例(分類クラス)との対応の検討が必要である.そこで兵庫県淡路島を対象範囲とし,MODISデータによる植生分類図(最小単位500×500m)との対応を検討するため,環境省2.5万分の1現存植生図の各群落の面積割合,250,000m2以上と未満のパッチ数割合,分布を整理し,凡例検討の基礎資料を得ることを試みた.面積および250,000m2以上のパッチ数割合は,水田雑草群落(25.9%,17.8%),ウバメガシ二次林(14.2%,19.0%),アベマキ―コナラ二次林(14.1%,17.0%),シイ・カシ二次林(13.1%,17.8%)と10%以上の群落は一致していた.各凡例の全パッチ数に対する250,000m2以上のパッチ数割合は,墓地等,市街地,ゴルフ場・シバ地,水田雑草群落が10%以上であった.対象地における植生分類図は,これら二次林,耕作地,都市的土地利用の影響を強く受けていることが示唆された.また,2.5万分の1植生図のラスター化によりアカガシ,スダジイ・コジイ,ウバメガシ自然林の分布パターンが明確になるなど,植生分類図に対応すべき情報が抽出された.平成26年度環境省環境研究総合推進費【1-1405】「衛星リモートセンシングによる広域スケール生物多様性モニタリング及び予測手法の開発」を一部用いた.


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