| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PA2-007 (Poster presentation)

MODISデータを用いた広域スケールの植生現況図作成手法の開発

*原慶太郎・原田一平・富田瑞樹・朴鐘杰・浅沼市男(東京情報大学),原正利(千葉県立中央博物館),平吹喜彦(東北学院大学),藤原道郎(兵庫県立大学大学院)

陸域の自然環境や生物多様性の保全を実効あるものとするためには、陸上生態系の基本構造を規定する植生の現況と変動の把握が重要であり、特に全国的な施策を立案し実行する際には最新の全国スケールにおける植生に関する情報が不可欠である。環境省の第6,7回自然環境保全基礎調査では2000年から1/2.5万植生図の全国整備を進めているが、全国の整備に20年以上が費やされており、これを補完する全国スケールの植生図が求められている。衛星リモートセンシングは、広域かつ迅速に土地被覆動態の抽出が可能で、様々な空間スケールで生物多様性とそれに影響を与える要因をモニタリングするために有用な手段である。本研究では、衛星TerraとAquaに搭載されたMODISデータを用いて、3~5年周期で全国スケールの土地被覆分類図を作成し、既存の植生データやグランドトゥルースとの照合を厳密に行ない、植生学的知見に基づく植生図(以下「植生現況図」と称する)の作成手法を確立することを目的とする。MODISデータ(空間分解能:500 m)を用いてISODATA法で土地被覆分類図(1 km グリッド)を作成し、現地照合や植生学的知見に基づいて植生現況図に集約する。本報告では、詳細な現地検証に基づく東北地方の植生現況図を示して問題点を議論する。本研究は次の研究費の一部を用いて実施された。平成26年度環境省環境研究総合推進費【1-1405】「衛星リモートセンシングによる広域スケール生物多様性モニタリング及び予測手法の開発」;JSPS科研費 24510332, 25830153。


日本生態学会