| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA2-174 (Poster presentation)
熱帯におけるサトウキビ大規模プランテーションにおける土壌劣化と収量の低下が問題になっている。この解決策として、生物多様性を利用した不耕起草生による栽培システムの野外実証実験が2011年から開始され、5年間が経過した。不耕起草生栽培で土壌環境を改善させる生態系エンジニアとして、ミミズの働きが期待される。そこで、ミミズを中心としてこの圃場の土壌環境の変化を明らかにする。
インドネシア・ランプン州(スマトラ島)のサトウキビ圃場に、耕起の有無とマルチの有無の2要因4処理5繰り返しの調査プロットが設定されている。それぞれのプロットにおいて、2011年7月〜2015年7月にかけて、毎年3月と7月にミミズの掘り取り調査を行った。コドラートサイズは50x50x20cmとし、ハンドソーティングでミミズを採集した。土壌サンプルは0-5cm、5-10cm、15-25cmの3層を100cc土壌コアで採取し、土壌の物理化学性(pH、容積重、電気伝導度、全窒素、全炭素)を計測した。
ミミズ現存量は、不耕起・非マルチ区では実験開始からほとんど変化しなかったものの、他の3区では4倍以上に増加した。ミミズ現存量の変化に対するサトウキビ収量、土壌パラメータの変化について議論する。