| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB2-001 (Poster presentation)

ツバル国フナフチ環礁における海域保護区設定のための基礎調査について

*佐竹 潔,山野博哉,井上智美(国環研),坂上治郎(Southern Marine Lab),佐々木哲朗(小笠原自然文化研),井手陽一(海洋プランニング),馬場繁幸(ISME),Semese Alefaio(ツバル国水産局)

ツバル国は南太平洋の環礁州島などからなる島嶼国である。その首都フナフチはフナフチ環礁最大の島であるフォンガファーレ島に位置しており、約4000人の人口を有しているが、様々な環境問題に直面している。海域においては富栄養化や、有孔虫や造礁サンゴの減少傾向などがこれまでに報告されており、海岸の保全や海域保護区の見直しなどが課題となっている。国立環境研究所の研究者などから構成される調査隊は、2014年10月から11月にかけて、ツバル国と日本の2カ国協定に基づき、ツバル国水産局をカウンターパートとしフナフチ環礁において調査を行ったので、その結果について報告する。

海域では、サンゴ礁マッピングデータや地形・潮通しなどに基づいて調査地点を設定し、各地点で魚類・貝類・海藻などの分類群についての調査を行った。あわせてフォンガファーレ島の内陸部などでは、汽水域においてマングローブやアンキアラインの生物種についての調査を行い、土壌のコアサンプルを得たので、これらのサンプルについて解析を行っているところである。例えば、魚類においては48科からなる300種以上の種のリストを作成し、地点ごとのデータを整理し、サンゴ礁マッピングデータと照らし合わせているところである。これらの調査データは既存の海域保護区の重要性を裏付けるとともに新たな海域保護区の設定にむけての基礎資料になると考えられる。


日本生態学会