| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB2-010 (Poster presentation)
湖沼や河川では、生物の排泄物などから生じたと考えられるDNAが検出される。このようなDNAは「環境DNA」と呼ばれ、環境中に生息する生物の種類を同定するために利用できる。しかし、現在の方法では生物種に特異的なプライマー配列を使用しているため、限定された生物種しか同定できない。そこで本研究では、不特定多数の生物種を網羅的に調べることができる方法を確立する。具体的には、生物の多様性が確認できるDNA配列を増幅するユニバーサルプライマー配列を設計して、環境中に生息する多種多様な生物種が同定できる新規手法の開発を目指す。
本研究では、まず公共データベースに登録されているDNA配列データ(リボソームDNA、ミトコンドリアDNAなど)を取得する。次に、取得した配列を系統学的(種、属、科、目、網、門)に分類した後、マルチプルシークエンスアライメントを行い、保存領域と非保存領域からプライマー配列の候補を取得する。得られたプライマー候補配列から多種多様な生物種が同定できるか否かを確認するために、コンピュータ上でのテスト(in silico テスト)を実施する。本発表では、設計したプライマー配列のテスト結果について報告したい。