| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PB2-055 (Poster presentation)

木津川における砂州河岸周辺での河床間隙動物の横断的分布

*田中亜季, 難波利幸, 谷田一三 (大阪府立大院・理), 竹門康弘 (京都大・防災研)

木津川における砂州河岸周辺での河床間隙動物の横断的分布

*田中亜季, 難波利幸, 谷田一三 (大阪府大院・理), 竹門康弘 (京大・防災研)

河床下に広がる河床間隙域には、多様な分類群に属する間隙動物が生息しており、その群集構成は、流下方向、鉛直方向、横断方向で変化することが知られている。とりわけ、砂州河岸周辺において、河川表層水直下と乾燥した砂州直下では、間隙域の群集構成が大きく異なることが予想される。本研究では、砂州河岸周辺の間隙域に注目し、横断的な群集構成の違いを明らかにすることを目的とした。調査は、2007年1月10日と14日に、木津川中流域の砂州上端河岸部で、ポンプ法を用いて横断的に行われた。解析により、各サイトには、多様度は似ているが分類群ごとの優占度が異なる群集が形成されていることが分かった。間隙動物の分布パターンは、河道内に多い河道集中型、河道と水辺に多い河道水辺型、河道内と砂州に広く分布する広域分布型に分類された。分類群別にみると、ユスリカ科幼虫は河道集中型に分類された。微小甲殻類の多くは河道集中型に分類されたが、微小甲殻類の中では特に細い体形を持ち砂州内の狭い間隙にも侵入しやすいパラステノカリスは、広域分布型に分類された。また、土壌生の種も多い線虫とダニも広域分布型に分類された。一方、ミジンコ目は、砂州深部には少なく、河道水辺型に分類された。本研究では、砂州河岸部における河川横断方向の間隙動物群集組成の違いや分類群の分布特性を示すことができた。


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