| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB2-066 (Poster presentation)
オオタカの営巣環境では営巣林の植生、巣への出入りを容易にする飛翔空間や立木密度、人間の活動区域からの距離などの要件が備わっている。
オオタカの営巣木や周辺の環境についての解析は、これまでに栃木県那須野ヶ原や群馬県などの事例がある。栃木県では営巣木としてアカマツが多く選択され、広葉樹が忌避されており、営巣木周辺ではアカマツの優占度75~100%クラスが選択され、営巣木に適した大きなアカマツが多い場所を利用していると考えられた(堀江ほか 2006)。また群馬県の事例では針葉樹率が高いこと(特にスギ、ヒノキ)などが営巣林の特性となっている。
静岡空港周辺の地形は丘陵地が広がり、アカマツは松枯れ等により営巣木として利用可能な大径木はほとんど残っていない。営巣木はスギなどの針葉樹を利用することが多いが、ツブラジイなどの広葉樹を利用することもあり、上記の事例と営巣地の特徴が異なる可能性がある。
そのため静岡空港周辺のオオタカが選好する営巣林の構造を定量的に把握することを目的とし、16ヶ所の営巣地における立木本数や針葉樹の割合、平均の樹高等の11項目の計測値について主成分分析をおこなった。