| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PB2-101 (Poster presentation)
ヒトの言語は,限られた音素(あるいは文字)を組み合わせ,様々な意味をもつ単語や文をつくる統語規則の上に成り立っている。同様に,異なる音素の組み合わせは鳥類の鳴き声においても報告されてきたが,それがどのような意味の変化をもたらすのか,これまで明らかにされてこなかった。そこで,本研究では,鳥類が音素の組み合わせパターンの違いから,異なる情報を読み取ることができるのか実験的に検証した。シジュウカラは,捕食者を警戒する際や仲間との社会的結束を保つ際に鳴き声を発するが,その鳴き声を構成する音素の組み合わせパターンは,文脈に応じて変化する。音声再生実験から,シジュウカラは,音素の組み合わせパターンを認知・識別し,異なる適切な行動で反応することが明らかになった。本研究は,鳥類の音声コミュニケーションにおいて,音素の組み合わせが特定の意味を伝える上で役立つことを実証した初めての例である。