| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PC2-HS03 (Poster presentation)
干潟に生息する一部のベントスは、有機物を給餌・分解し、汚濁物質の浄化に役立つ。この機能を始め、近年干潟の持つ環境浄化機能の重要性が話題となっている。私たちは環境の浄化に貢献しているベントスの生態に興味を持ち、今回三河湾最奥部に位置する汐川干潟に生息しているベントスの種類や、生息頻度が季節によってどのように変化しているかを調べた。
日本国際湿地保全連合が定める市民調査法に従い、表層上・泥土中に生息するベントスを採集した。採集した生物の生息頻度を求め、高い順に優占種、普通種、少数種とした。5月から10月まで毎月調査した結果、発見されたベントスの種数はおよそ32種(±4~5)であり、主に発見された種はどの調査でも同様の傾向がみられた。また、
優占種数が全体に占める割合は、5月から順に6 %、22 %、36 %、37 %、37 %、30 %となり、生息頻度の季節に伴った変動がみられた。
今回の調査で、汐川干潟に生息するベントスの生息頻度と季節の関係や、生息するベントスの種類について網羅的に把握することができた。今後は生態系の変化をより定点で調査対象を絞って調査し、干潟について定量的、継続的に調査していきたい。