| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS11 (Poster presentation)

クラゲの生態 -いろいろな音への応答反応-

*藤本真依子, *松田詩生, 市村文音, 山田茉奈, 吉田有香 (大阪府立住吉高等学校)

クラゲは私たち人類が誕生する遥か昔から存在し、数億年の間その姿をほとんど変えずに海中で生活している。その生態にはまだまだ多くの謎が秘められている。

通常、有性生殖したクラゲの成体は海へ溶け去るが、ベニクラゲ(Turritopsis nutricula)は溶けず肉団子状となり、再びポリプ(刺胞動物の基本形)へと若返る。このポリプがクラゲ芽を形成し、やがて若いクラゲとして分離し泳ぎだす。この一連のサイクルを無限に繰り返すことからベニクラゲは「不老不死」といわれている。私たちは不思議な能力を持つベニクラゲを中心に、関西圏の海域に生息するクラゲの採取および生態調査、校内飼育を行った。

クラゲの明瞭な聴覚機能は今をもって不明である。発音器官は持たないが、感覚器や神経を持っている、拍動によって極めて低周波な音が作り出されていることより、クラゲは音波に反応するのではないかと考えた。また、ベニクラゲのストレスによって若返る性質から、音波でストレスを与え肉団子状に変化させることはできるだろうかと考えた。そこで水槽中の各クラゲに対して、水中スピーカーで低周波音、高周波音を流し応答反応実験を行った。


日本生態学会