| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS17 (Poster presentation)

ノコギリクワガタは幸屋火砕流を生き延びたか? ~大隅諸島産ノコギリクワガタの多様性の秘密と亜種分類の妥当性~

*池田博和, *石井美帆, *梶原嵩騎, *崎山真菜, *谷山玲美, *縄司百香, *花里佳奈, *吉嶺薫乃, リヤ・アロラ (鹿児島県立国分高等学校)

鹿児島県にはノコギリクワガタが5亜種生息している(原名亜種を含む)。私たちはその亜種分類の妥当性と幸屋火砕流の影響を検証した。

形態的・遺伝的比較の結果,黒島産と口永良部島産は亜種分類の妥当性が支持されたが,硫黄島産は口永良部島産との関係が要検討。屋久島産は形態的には差があるが遺伝的には差がなく亜種分類が支持されなかった。

また系統樹の分岐年代から,黒島産と口永良部島産は大隅諸島の生物を壊滅させたと言われる幸屋火砕流を生き延びた可能性が高いことが分かった。

さらに幸屋火砕流直下で絶滅したと考えられる硫黄島産は,形態的にも遺伝的にも口永良部島に非常によく似ていることから,火砕流後に口永良部島から侵入し定着したのではないかという仮説を立てた。


日本生態学会