| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PC2-HS18 (Poster presentation)
アライグマは特定外来生物であり、木造建築への侵入や農作物の食害など様々な被害を与えている。埼玉県内でアライグマの生態と生息状況を明らかにするため、埼玉県内の高校が連携しチームアライグマを組織した。寺社は木造建築が多く爪痕を確認しやすいので、寺社におけるアライグマの侵入状況が生息状況を知る上での指標となると考えた。調査は学校毎に担当を割り当て、地域内の寺社で爪痕調査と管理者への聞きこみを行った。その後、これらをもとに各寺社の被害状況を五段階に分け、QGISを用いて地図にプロットした。なお爪痕の新旧は柱との色の差などから、ハクビシンとの区別は爪痕の幅や聞きこみなどから判定を行った。被害ランクのプロットデータと2013年度の埼玉県でのアライグマの捕獲データを照らし合わせると、爪痕の数と捕獲数との間に関連性がある可能性が考えられた。捕獲データに記載がない場所でもアライグマの爪痕が観察された。また、寺社の周囲の環境と照らし合わせたところ、池や川などの水辺に近い寺社で爪痕が多い傾向にあった。さらに、爪痕のみでの動物種の区別や訪問時期の特定は難しかったので、調査方法についても検討を行う。