| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS20 (Poster presentation)

里山の生物多様性の評価法の開発―愛媛県南宇和郡愛南町を例として―

*佐藤 恵, 武田峻児, 本多真士, 橋本悠平, 藤田竜輝, 二宮翔太, 田中秀直, 橋越清一(愛媛県立南宇和高等学校)

筆者らは2012年4月より,本校近くの里山において植生調査や植物相,鳥類相,昆虫相の調査を行ってきた.さらに,2014年4月よりセンサーカメラを用いた哺乳類調査を行ってきた.その結果をもとに,筆者らは里山の生物多様性の評価法を試作し,里山の生物多様性を多角的かつ総合的に評価する方法について検討したので報告する.

今回はこれらの中の遺伝的多様性については評価できていないが,景観・生態系,植物相,哺乳類相,鳥類相,昆虫相の5つの項目について評価基準を試作し,里山を評価した.その結果,鳥類相と昆虫の中でもチョウ類,トンボ類は里山の生物多様性の評価に有効ではないかと考察した.また,里山の生物多様性に影響を与える要因としては高齢化に伴う管理放棄という人為的要因が最大であるが,今後は台風・洪水などによる自然災害もかなり脅威となる可能性が高いと考えた.

しかし,このような評価法で評価した里山は全国的にもなく,その正当性については今後研究をしていく必要があるといえる.また,今回の評価法は西日本でしか通用しないかもしれず,東日本も含めた全国で通用する評価法の開発が急務といえる.


日本生態学会