| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


一般講演(ポスター発表) PC2-HS23 (Poster presentation)

泉北高校ビオトープ池の完成後9年間の変遷

*横田真, *小林史哉, *島田明日斗, *下湯瀬夏生, *杉本拓生, *松岡瑠奈, *永嶋明良, 木村進 (大阪府立泉北高校)

本校のビオトープ池(面積約30m)は2005年9月末に完成し、サイエンス部では完成時から毎月1~2回プランクトンの採集・観察を、週1~2回は水温・水位・pHの測定を、年数回はCODや栄養塩類濃度の測定を継続している。また、毎年7月には池の動物の種類とそれぞれの個体数、水草の被度の測定を行い、完成後9年間の変遷を記録してきた。完成直後、生物相は乏しかったが、池周辺のコナラ林からの落葉などが分解されて栄養塩類の増加により、プランクトンは増加を続け、動植物の多様性も高まった。その間、ヒメガマなどの水草も大きく成長し、2009年頃には池全体を覆うようになり、水面に照射する光がさえぎられ、植物プランクトンが減少し、それを食べる動物プランクトンも減少した。そこで、2010年以降は年1回秋に水草を約半分刈り取ることとし、2011年からはプランクトンの多様性はやや回復している。この間に動物相も大きく変化し、造成2~3年後にはウシガエルが、7年目以降はアメリカザリガニが大発生して池の生態系に大きな変化をもたらした。これらの記録をもとに、プランクトンの多様性を一つの指標にして、ビオトープ池を適切に管理する方法を提案したい。


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