| 要旨トップ | ESJ62 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨
ESJ62 Abstract


シンポジウム S05 -- 3月19日 9:00-12:00 F会場

火山と陸域生態系

企画者: 北山兼弘 (京大・農)

生態学においては、火山の噴火は比較的稀なかく乱イベントとしてしか捉えられていない。しかし、地質学的な時間スケールで見ると、火山噴火は高頻度で、噴出物は広域に影響を及ぼしている。特に、火山灰のような火山砕屑物は広範囲に拡散し、その影響範囲は生態学者が想像する以上に広い。火山噴出物からはリンなどの生物に必須のミネラルが陸域に供給され、さらに火山灰に起源する土壌は特殊な物理化学性を持ち土壌有機物の安定化や栄養塩循環を支配する。従って、火山は稀なかく乱イベントを引き起こす要因だけではなく、極相にある陸域生態系の維持に広範な影響を与えている可能性がある。本シンポジウムでは、まず地質学と土壌学の専門家の方から、火山噴火の規模や頻度と火山灰土壌の特殊性について講演していただき、さらに植生学と生態系生態学の観点から日本の森林植生について溶岩と火山灰の影響について成因論的な検討を加えたい。

コメンテーター: 和頴朗太 (農環研)

[S05-1] 第四紀の日本における火山噴火の頻度と規模  井村隆介(鹿児島大・理)

[S05-2] 火山灰土壌の分布と物理化学的特殊性  渡邉哲弘(京大・農)

[S05-3] 火山遷移に伴う森林発達と環境形成  上條隆志(筑波大・生命環境)

[S05-4] 森林の栄養動態に及ぼす火山砕屑物の影響  北山兼弘(京大・農)


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