| 要旨トップ | ESJ62 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
シンポジウム S11 -- 3月21日 9:00-12:00 E会場
動物はその動物自身の進化的・系統的に制約された感覚を用いて、まわりの環境世界を認知して生きている。しかし動物の感覚それ自体も、その動物が生きてきた環境において自然淘汰によって進化してきた形質である。ゆえにアリにはアリの、ハチにはハチの、チョウにはチョウの環境認知の進化的特性とバイアスが存在する。種数において,色彩において、そしてその行動や生態において、あまりにも多様な昆虫たちの存在とその認知プロセスは、彼らを取り巻く捕食者や寄生者、餌植物の形態・行動・生態にフィードバックし、昆虫を取り巻く世界を変貌させる。我々の見ている自然界の事物・現象の多くは、昆虫たちの感覚バイアスにもとづく共進化の結果と考えられる。このシンポでは、昆虫たちが自身の感覚特性にもとづいて生存戦略を立てようとするとき、その感覚特性が、相手方(天敵、獲物、共生者)の形質も進化させるという観点から、アリ,ハナバチ、チョウの見ている(感じている)世界をそれぞれの専門家から紹介いただき,認知の謎に迫りたい。趣旨説明と総合討論の司会は上田が行なう。
[S11-1] アリの認識機構、特に社会寄生を絡めて
[S11-2] アリの化学擬態
[S11-3] 昆虫の眼(目?)から見た花色変化
[S11-4] アゲハチョウの視覚能力 ー色・明るさ・偏光ー