気象•気候変動下における植生の機能やサービスの時間変化を高精度に評価するためには、開花•開葉•紅葉•落葉など植生フェノロジーを長期連続的に観測することが重要である。デジタルカメラによるインターバル撮影は、多地点を対象に低労力•低コストで、生態系あるいは樹種ごとに異なる植生フェノロジーの特徴を赤•緑•青のデジタルナンバーの時間変化として定量的に記録することが可能である。加えて、分光スペクトルの代理データとして利用可能である。発表者は、日本発の"Phenological Eyes Network (PEN: http://www.pheno-eye.org)"の精力的な活動を通して、国内外の様々な生態系サイトにおいて長期連続的な植生フェノロジー画像を取得し、フラックス•生態•気象•衛星データなどとの対応関係を調査している。本発表では、これまでの研究成果をもとに、デジタルカメラによるフェノロジー観測の有用性•不確実性•課題点•今後の展望について議論する。