| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(口頭発表) H2-23 (Oral presentation)

日本産ダンゴムシ・ワラジムシ類の分布データベースの構築:とくに外来種の分布域について

*唐沢重考(福岡教育大学), 中田兼介(京都女子大学),吉野広軌(東京大学)

ダンゴムシ・ワラジムシ類は日本人にとって最も身近な動物の一つであるが,普通に見ることができる種の多くは外来種であり,また,100種を超えるとされる在来種は種分類が混乱しているため,日本におけるこれら動物の多様性の実態は良く分かっていない。この現状を踏まえ,演者らは日本におけるダンゴムシ・ワラジムシ類の多様性の解明を目的とし,研究を進めている。

本講演では以下の3点について発表を行う。1)多様性解明の基盤として約1万個体の標本採集地点のデータベースを作成し,それらをweb公開したシステムについての紹介を行う。2)そのデータベースに基づき推定した外来種3種(オカダンゴムシ,ワラジムシ,ホソワラジムシ)の分布域を示し,潜在的生息地域や分布制限要因についての議論を行う。加えて,3)近年,琉球列島で急速に分布域を広げているオカダンゴムシについて,遺伝子解析に基づく国内への侵入回数や分布拡大の経路についての議論を行う.


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