| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(口頭発表) I2-18 (Oral presentation)

中禅寺湖周辺河川における福島原発事故の放射性セシウム放出による水生昆虫等の汚染について

*吉村真由美(森林総研), 赤間亮夫(森林総研)

大量に放出された放射性物質は東北南部や関東地方を中心に広範囲に広がり、森林・土壌・草地・湖沼・河川など様々な場所を汚染しました。栃木県中禅寺湖に生息する魚からは未だに100Bq/kgを超える放射性セシウムが検出されており、中禅寺湖およびその流入河川では、全域でニジマス・ヒメマス・ブラウントラウトの採捕が禁止されています。中禅寺湖に近い足尾の渓流においてもイワナの採捕が禁止されています。魚の放射性物質による汚染は、主な餌である水生昆虫等による放射性物質のとりこみ、または水環境中に存在する物質に吸着している放射性物質のとりこみによってもたらされていると考えられます。そこで、中禅寺湖周辺河川において餌生物の一つである水生昆虫の分類群による汚染度の違い・汚染度の推移、落葉・藻類などの汚染度の推移を調べ、中禅寺湖に生息する魚の汚染との関係を推察した。


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