| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-175 (Poster presentation)
イシダタミ属Monodontaは日本沿岸の潮間帯に高密度で生息することから、生態学的研究のモデルとして活用されてきた。しかし本属は殻形態が多様であるため、しばしば分類学的な混乱がみられる。特にイシダタミとオキナワイシダタミは西日本以南において同所的に生息することがあるが、殻形態が種間・種内で多様である上、2種の中間的な個体も観察されている。しかしながら、日本産の本属の系統関係は未解明な部分が多い。そこで本研究では、日本産イシダタミ属の全種6種1亜種について広範囲にわたって網羅的な採集を行い、mtDNA のCOI・16SrRNA、核DNAの28Sを用いて分子系統解析を行った。その結果、イシダタミ属貝類では形態分類と分子系統の不一致がみられ、隠蔽種の存在が示唆された。これらの結果に基づき、本グループの生物地理学的な起源、進化史について考察する。