| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-216 (Poster presentation)
河川において底生動物の定量採集を行なう際,すべての個体を扱うには時間と労力を必要とする。本研究では,夏季の仁淀川と四万十川の上流域で1地点ずつ大型底生動物に関する調査を行ない,体長と個体数,生物量の関係を明らかにすることを目的とした。単位面積当たりの大型底生動物の総個体数や優占種には違いがあったものの,両河川とも大きい個体から小さい個体へと体長区分を累積した個体数は直線的に増加した。同様に体長区分を累積した生物量の増加は,両河川とも小さい体長区分の個体を追加するにつれ飽和する傾向にあった。大型底生動物群集の中で優占する分類群に関しては,両河川とも大きな個体のみに限定した場合は個体数においても生物量においてもトビケラ目が優占したものの,小さな個体まで含めるとカゲロウ目が優占する傾向にあった。両河川とも,各体長区分に属する1個体当たりの平均乾燥重量は体長とともに指数的に増加し,乾燥重量1 g当たりの平均個体数は体長とともに指数的に減少した。