| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-124 (Poster presentation)

モンゴル国フスタイ国立公園におけるシラカンバ(Betula platyphylla)の立枯れの環境要因について

笹村尚司,梅垣和幹,*星野仏方(酪農学園大),北山あさみ,杉本敦子(北大院環境)

樹木の立ち枯れ(Forest dieback)現象は世界中の森林で起きていることが報告されている。モンゴル国フスタイ国立公園に分布するシラカンバ(Betula platyphylla)の林も立ち枯れしており、我々の調査サイトでは寿命が80-100年程度のシラカンバの内24.1%の林分が完全に立ち枯れしている。

本研究は現地調査(毎木調査・年輪調査)とリモートセンシング技術を用いた高解像度の衛星データ解析によって、半乾燥地域のこのフスタイ山脈で起こっているシラカンバの立ち枯れ樹木を抽出して定量化した。また、半乾燥地であるモンゴル国に属す研究対象地は降水量が低く、シラカンバの生育に十分ではないと考えられることから永久凍土の融解水を利用していることが推察される。そのため、高時間分解能であるMODISセンサーで取得した地表面温度(LST)の画像を用いて、凍土分布にもっとも一般的に用いられるインデックスである永久凍土インデックス(PMI)を従来より空間解像度の高い1kmメッシュで算出した。生育環境の地形的要因・人為的且つ動物などによる撹乱・降水量および永久凍土分布などの水分循環の要素からその原因を調査し、結果を報告する。


日本生態学会