| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-205 (Poster presentation)
近年,3D表面スキャナや,LiDAR,2D画像からの3次元再構築技術の一般化により,興味ある対象の表面の形態や色彩についての情報がポイントクラウドと呼ばれる3次元点群データとして得られるようになってきた.特に,Structure from Motion及びMulti-view stereoによる2D画像からの3次元表面の再構築パイプラインは様々なライブラリやソフトウェアとして実装されており,安価に高解像度の3D形態データが取得できる有望な手法といえる.一方で,多くの先行研究では“綺麗な”ポイントクラウドデータの使用を想定している場合が多いが,実際に得られるデータには位置に関する誤差や点そのものの欠損などの“ノイズ”が存在する.また,得られたポイントクラウドデータから生物学的情報を抽出する手法についての議論は少ない.
本研究では,ポイントクラウドデータから生物学的に意味のある形質情報を得るために,植物の葉形状を対象として1) ノイズのあるデータから表面形態を再構築し,2) 形態測定学的な解析をおこなう.
1) 葉形状を3次元空間に埋め込まれた2D次元表面とみなし,B-スプライン曲面でモデル化する.表面のパラメタライゼーションは非線形の次元圧縮手法の一つであるisomap(Tenenbaum el al. 2000)を利用し,それに基づき罰則付きB-スプライン曲面フィッティングをおこなう.
2) 得られたB-スプライン曲面を,局所的な面積を保ったまま,曲面上での平均曲率の総和を最小化するように2D平面へと射影し,2次元形態データを得る.このデータに対し形態測定学的解析をおこなう.本発表では輪郭形状の定量化を楕円フーリエ解析によりおこない,その妥当性を検証する.