| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-276 (Poster presentation)
イチジクコバチの性比は、メスに大きく偏っていて、局所的配偶競争(LMC)理論で説明できる代表例とされてきた。それは、イチジクコバチ、特にイチジクの花のうの中に入り授粉・産卵するポリネーター種では、1つの花のうで産卵するメスが少ないことや、その花のうの中で成長した子のあいだの交尾が全て同じ花のうの中で行なわれるという生活史による。しかし、ある種のイチジクコバチのオスは、それらが成長した花のうで交尾したあと他の花のうに行き侵入し、そこでも交尾を行なう。このことは侵入する側の花のうで産卵するメスだけでなく、侵入される花のうで産卵するメスの性比にも影響を与えると考えられる。
今回、南アフリカにおいて、Ficus salicifolia のポリネーター種 Platyscapa awekei を用い、産卵時期を操作することで、オスが交尾後に分散し他の花のうで交尾をすることがメスの産卵・性比戦略に与える影響を調べた。