| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨
ESJ63 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-438 (Poster presentation)

スギコンテナ苗における施肥が成長と養分収支に及ぼす影響

近藤晃,袴田哲司(静岡森林研セ)

コンテナ苗は培地(用土)、肥料および水による施設栽培であることから、その育成には肥培管理と水管理が重要である。育苗にはココナッツハスク等の培地に固形肥料を基肥として加え灌水下で育苗する方法が一般的に行われている。一方、苗木育成においては樹種ごとに養分要求量を求め、それに応じた肥培管理等を行う必要があるが、わが国におけるコンテナ苗生産では、その目安となる養分動態を示した事例はほとんどない。そこで、本研究では各種施肥に伴う1成長期間の苗木の物質生産と養分含有率を測定し、養分収支を推定した。その結果、スギ2年生コンテナ苗の現存量は施肥水準で異なり、N、PおよびKの養分吸収量は施肥量の増加に伴い増加したが、利用率は低下傾向を示した。培地内の養分含有量は苗木の養分吸収と培地からの溶脱により経時的に減少し、施肥量の多少にかかわらず、1成長期間後にはほぼ同じ養分含有量であった。Nでは施肥量の30~40%が吸収され、60~70%が流出した。


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