| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-453 (Poster presentation)
人工林における施業は物質循環に影響する。青森県では、長伐期施業としてスギ(Cryptomeria japonica)林下にヒノキアスナロ(Thujopsis dolabrata var. hondai:以下ヒバとする)を植栽する複層林施業が進められている。本研究では、2002年にスギを間伐してヒバが植栽されたスギ-ヒバ林における物質収支の特徴を明らかにすることを目的とした。
林外雨、林内雨、土壌浸透水を採取し、無機イオン濃度をイオンクロマトグラフ法により定量して物質収支を求めた。また、ヒバの樹高を測稈により測定した。林外雨量から林内雨量を差し引いて求めた樹幹遮断量は、2012年以降増加した。ヒバの樹高生長に伴って深さ10cm、および90cmにおける浸透水量が減少した。このため、スギ-ヒバ林における硝酸イオンや塩基の溶脱量が少ないことが示された。