| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-005 (Poster presentation)
マングローブは熱帯、亜熱帯の汽水域に存在する生態系の総称である。このマングローブを構成する植物をマングローブ植物(ヒルギダマシ、ヤエヤマヒルギ、メヒルギ、オヒルギ)という。マングローブ植物の生育地は高塩分、強光、高温であるため、私たちは葉に何か特徴があるのではないかと考え、本研究を始めた。
昨年度、私たちはマングローブ植物の葉を陽葉と陰葉に分け、葉のサイズの測定や、クロロフィルの定量を行った。
今年度はクロロフィルの定量を継続するとともに、新たにマングローブ植物の葉には特殊な構造がみられるのではないかと考え、光学顕微鏡を用いて葉の断面を観察した。この観察からマングローブ植物の葉は表皮系が発達していることが分かった。これは厳しい環境下における適応のためと考えている。
また、いくつかのマングローブ植物は組織に吸収された塩分を黄葉に濃縮し、落葉させている。今回、私たちは緑葉と黄葉で、陽イオン量に差があると考え、葉内の陽イオンを定量し、比較した。その結果から植物種ごとの特徴が見出せた。
以上について考察したことをまとめて発表する。