| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-009 (Poster presentation)
本校のある日高郡とその周辺にあるカンサイタンポポ(Taraxacum.japonicum)(以下、在来種型またはJと表記)、セイヨウタンポポ(T.officinale)(以下、外来種型またはEと表記)、両者の間にできた雑種型(以下、雑種型またはHと表記)、シロバナタンポポの分布調査を行った。
先行研究では、山間部のある地域で環境指標が当てはまらないのではないかという疑問が残されている。今回は、過去調査された地区の中から、この地域を含む3つのエリアを取り上げ、そのエリアを深く掘り下げた。核DNAによる分析を進めるとともに、過去のタンポポの分布データ(高須 未発表)、土地の改変状況のデータ等を使い、在来種型、外来種型、雑種型と生育していた3つのエリアの状況の関係を調査した。
その結果、山間部のある地域での分布状況に特異な状況があることが明確になった。この状況をダムや道路の改変状況と比較して考察すると、道路状況等との関係では環境指標性は有効であるといえる。しかし植生調査の結果では逆の傾向が示された。タンポポの環境指標性には、短期的な側面と長期的側面があることに留意する必要を示した。