| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-012 (Poster presentation)
本校がある二子山は周囲に竹林が拡がる里山である。学校周辺に繁殖した竹資源の有効利用法として、キノコ栽培に注目した。本校では、実験室内でのキノコ菌床栽培に取り組んでいる。このキノコ菌床栽培に廃棄されるはずの竹を有効利用するため、竹粉とおがくずを混ぜたもので作成した菌床を用いて、ヒラタケ・エリンギの菌床栽培を行い、キノコ栽培における竹粉とおがくずの最適な配合を検討することを目指した。
おがくずと米ぬかを3:1で混ぜ合わせた菌床を用意し、その菌床に竹粉を混ぜ合わせた。混ぜる時の配合は、0%~100%(20%間隔)とした。そのようにして作った菌床を一度滅菌した後、ヒラタケ・エリンギの種菌を植菌し、温度を15℃:8℃=12時間:12時間、光条件を全暗としたインキュベータ内に静置した。菌がまわった後、菌かきを行って再度15℃のインキュベータ内に静置し、経過観察を行ったところ、植菌を行った後、培地に菌が回る時間がそれぞれ異なっており、培地の割合がおが粉80%、竹粉20%の培地に生えたキノコの収量が最も大きかったので、つまり、竹粉を培地に加えることで、キノコの収量が増加することが確認でき、竹粉の成分(乳酸菌、植物ホルモンなど)のいずれかがキノコの成長に影響を与えていることが示唆された。