| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-014 (Poster presentation)
光は生物の活動に大きな影響を与える。眼などを持たない微生物が、光によってどのような影響を受けるのかに興味をもち、光の有無でゾウリムシの個体数変化に差が生じるかを調べた。仮説を「通常の光条件下で培養したゾウリムシと全暗条件で培養したゾウリムシでは、増殖や個体数の変化の仕方が異なる」と設定した。全暗条件は、外側をアルミフォイル、内側を黒い紙で覆った箱で作り、培養日数ごとの個体数変化を測定して通常の培養条件と比較した。調査法は、50μlの培養液を無作為に取り出し、塩化ニッケル溶液を等量加えた後、顕微鏡下でゾウリムシの個体数を数えた。1回の測定につき、上記の操作を10回行い、平均した値をその日の個体数とした。結果は仮説と異なり、通常条件でも、全暗条件でも、ゾウリムシの個体数変化の傾向に差はなかった。このことから、ゾウリムシは、体内に「時計」のようなものをもち、独自のリズムで増殖していることが予想された。現在、大腸菌で同じ実験を行って、微生物と光の関係をさらに検討中である。